ワイヤードでもよく,コーヒーの香りが漂ってくることがあるね。きっと,いつも手元にコーヒーカップを置いてアクセスしている人が多いんだろう。わたしも,だけど。
quote:喫茶店の話をしよう。喫茶店は300年ほど前から,知性や科学的な発見と,さまざまな議論の場所であった。コーヒーは1610年にイングランドに伝えられ,最初の喫茶店は1650年にオックスフォードにできた。作家,政治家,ビジネスマン,科学者などが喫茶店を利用し,アイザック・ニュートンやクリストファー・レン,ロバート・フックも喫茶店に足を運んだ。さまざまな時代を経て,この10年,スターバックスやコスタなどの喫茶店が爆発的に増えている。
いつもIRCに顔を出すミツカは,長年勤めた仕事を退職してから喫茶店をはじめ,毎日コーヒーを煎れ続ける生活をしているのだと云う。なんともうらやましい生活とも思うのだが,なかなか思い通りにいかない仕事でもあるようだ。まだまだ自分の煎れるコーヒーの味に満足できず,毎日新しい豆を試したり,煎れ方の研究をしたりの毎日なんだそうだ。毎日インスタントコーヒーをがぶ飲みしているわたしが,なにかを云える話ぢゃないが,ふとミツカが愚痴のように云った「ブルーマウンテンとほかのコーヒーの味の差なんて,全然わからないよ」という言葉が耳に留まった。
ちょっと調べてみた。日本では「ブルーマウンテン」と呼ばれるコーヒーが高級でおいしいと云われることが多い。ブルーマウンテンとは,ジャマイカのブルーマウンテン中腹で作られた,アラビカ種のコーヒーにつけられたブランドのとこ。だけど,チャットでつかまえた英国在住のem65tにブルーマウンテンについて訊いてみると,そんなコーヒーはきいたことがないと云う。そこでちょっと古い資料にもう一度あたると,ジャマイカ産のコーヒーの9割以上は日本に輸入されているようで,ブルーマウンテンというブランドはほとんど日本人しか知らず,300年もコーヒーに親しんでいる西洋人も知らないようだ。もちろんコーヒー生産に適した条件を備えている地で,確かに上質なコーヒーではあるけど,ほかよりグンと秀でているとは云えないらしい。実際のところ,ほかのコスタリカやグァテマラの最高級品とブルーマウンテンとのあいだに,すぐわかる差はないとも云われる。なるほど,ミツカの云ってることは正しかったんだね。
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